げじべえの里は屋久島を代表する農村“はるお集落”の愛称です。


「げじべえ」って、なんなーつか(なんだろう)

~げじべえの里 げじべえ由来書き~


「げじべえ」は屋久島の山に住む妖怪です。
屋久島の山には、いろいろな妖怪が住んでいます。
その代表的なものが、「げじべえ」「山姫」「山のもん」「川のもん」などです。

「げじべえ」は、森の精の妖怪で大木や老木などに住み着いています。
昔のきこりたちは、老木などを切るときには、ヨキやのこを供え、
お神酒を奉ってことわりを言って切り倒しました。

その昔、木炭が重要なエネルギー源であった頃、
屋久島では炭焼きが盛んにおこなわれていました。
そのころ集落の人たちも組合を作り国有林を払下げ
どんどん森を切っていったのです。

これに怒ったのでしょうか、「げじべえ」は山で炭を焼く人たちに
夜な夜ないたずらを仕掛けてきました。

それは、昼間に人たちがしていた事をまねするのです。
まず、木にヨキで切り込みを入れる、
そして、ノコで引き、矢を打ち込み、木が倒れる。
それを本物と寸分も違えずに再現してくるのです。
その倒れる飢餓如何にも自分たちのいる炭窯に打ちかかって来るようで
大変怖かったそうです。

このことは、自分たちの棲家が荒らされていく事への「げじべえ」たちから
人間への無言の抵抗だったのかもしれません。

今でも屋久島の山、そしてこの森にはおおくの「げじべえ」たちがいて
私たちの行動を監視しています。

人間のわがままで山や森を傷つけると「げじべえ」はいたずらを仕掛けてきます。
「げじべえ」は決して私たちに悪意は持っていないはずです。
私たちの思いや願いを聞いてくれるに違いありません。
何か聞こえてきませんか?

この山、この森とともに生きてきた先人たちの知恵と
これからの私たちの生き方を考えてゆきたいとの思いで
この地を「げじべえの里」と命名しました。